ビジネスモデルを構成する7つの要素北斗七星理論

GOOD DESIG LAB の研究活動により抽出された重要項目を北斗七星理論として集約した。参加企業の事例は、ここにあげた項目に添って解説する。
ビジネスモデルは7つの要素が結びついて全体を構成し、1〜4行程までの質が事業全体の創出価値を決定する特に重要なプロセス。各項目の順序はプロジェクトの特性ごとに異なる場合があるが、ここでは基本形プロセスを紹介する。

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北斗七星理論による分析:ナスタ

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

商品の社会浸透 プロトタイプの、安価かつ小型、操作が簡易な全天球カメラを販売した。
→ ユーザーから動画撮影機能/ライブストリーミング機能/画質向上の要望があった。

かつ当該カメラを世間に浸透させるには、長く楽しめるコンテンツが必要だと認識した。

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

ユーザーニーズの二分化 ライブストリーミング機能を求めるのはプロのユーザーであり、スマートフォンでの機能性の向上を求めるのは、一般のユーザーがSNSで「空間をシェアする」という楽しみ方を希望していることだと二分化した。

UXデザイン 『全天球映像の新しい魅力と楽しい体験を提供する』という一貫した世界観に基づく、GUIデザイン/商品デザイン/コミュニケーションデザインを総合したUXデザインを展開。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

一般ユーザー仕様/プロ仕様 一般ユーザーのための操作が簡易なアプリ開発。
プロ仕様のためアルミ製を採用し、排熱処理問題の解決。

アプリの開発 静止画/動画どちらでも SNSに3ステップで投稿できる簡単操作を実現。
上位モデルでのライブビュー機能を追加。

「面白さ」伝達のためのデモ企画 「面白さ」を一般ユーザーに伝えることが困難ながら 重要であると認識し、写真のコンペイベントを開催。
当該カメラを100台、 無料で貸し出す等、普及のためのデモを企画。

利用方法の提案 飲食店等、店舗の複数地点で当該カメラを使用して、内装を紹介することで、宣伝広告としてのツールとなる点/施工現場で連続して使用すれば、着工前の状態から経過を含めて、履歴を確認することができる等、様々な使用シーンを提案している。

4 決断 ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかプロセスにも新規性が求められる。

開発のきっかけ 2009年に代表が「コア技術を使って何か作れ」というオーダーを出したことがきっかけとなり発明されたアイテム。だが発売された2013年当初は、社内のニュースリリースにない、期待されていない商品だった。

プロダクトアウト&マーケットイン 技術ありきで商品を作り、市場で揉まれることで、ニーズがあることが明確になり、決断する十分な材料を得られていた。

5 人材・組織 プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

部署設置は後発的に 一人の技術者が試作機を作るところから始まり、社内で「面白い」と思う人を集めチームを作り、部署は後から拵えた。RICOHは当該ルーチンが一般的に行われている。

6 販売・ユーザーとの関係 企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

市場の拡大 一般ユーザーの使用もさることながら、プロユースが本格化すると、各現場、各業態から用途/需要が挙げられ、カメラ本体/アプリの新規開発が必要となる。認知度向上による育成型商品と言える。

ユーザー参加型普及プログラムの実施 当該カメラはCMのような広告では魅力が伝わり難い類の商品であり、ユーザーの具体的な活用が伝播していくことが必要であるため、日常的に使用してもらうことが至上命題となる。

デモ企画に注力するのは、ユーザー個人に当該カメラの楽しさを伝達するためであり、同時に社会への普及していくための認知を得るための活動である。

7 展開性 業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

爆発的なBtoB需要 現在の監視カメラは死角ができないように複数台設置/カメラ自体の角度を動かす等で対応している。
全天球カメラであれば、安価かつ高度な監視/見守りが可能となり、爆発的なBtoB需要が期待される。
娯楽の面では、ライブ映像が自分の見たい方角を選択しながら楽しむ等、従来とは異なったコンテンツを提供することが可能となり、高付加価値が期待される。

カスタマイズのビジネス 当該全天球カメラを、大手資本の企業が大量に購入することも期待されるが、カメラ自体を用途に合わせて細分化していくのか、用途に合わせてソフトを細分化していくのか、ビジネスとしてはどちらが優秀なのかを見極めることが求められる。