ビジネスモデルを構成する7つの要素北斗七星理論

GOOD DESIG LAB の研究活動により抽出された重要項目を北斗七星理論として集約した。参加企業の事例は、ここにあげた項目に添って解説する。
ビジネスモデルは7つの要素が結びついて全体を構成し、1〜4行程までの質が事業全体の創出価値を決定する特に重要なプロセス。各項目の順序はプロジェクトの特性ごとに異なる場合があるが、ここでは基本形プロセスを紹介する。

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北斗七星理論による分析:プランテクト

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題を広く調べて要素を抽出。抽出要素の深掘りがアイデアの軸となる。

a. 中小規模農家ではコスト・効果・知識・心理的な障壁から、スマート農業の新技術の導入は大規模農家と比較して遅れている。

b. 高い初期コスト・機器設置のための大掛かりな施工が導入を妨げていると課題設定。

2 基本設計 課題に対して人間的価値からアプローチ(デザインアプローチ)

a. 従来の有線かつ大規模な機器に対して、無線のシンプルな機器を開発した。

b. 初期投資ゼロの、月賦支払料金プランを作成した。

3 詳細設計 ビジネスを構成する要素の具体化。製品デザイン・サービスデザイン・知財・収益獲得の計画と実施

a. 従来の機能複合型の大型機器を、4つの小さな機器に分割し、一般家庭の電源で稼働する様にしたことで、設置が簡易になった。

b. 機器の無線は約1キロ届き、複数のビニールハウスを持つ農家の需要に対応。

c. モニタリングした情報から、カビ等の感染リスクを視覚化するIoTシステムを構築。

4 決断・意思決定 ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかが事業体質の根幹を決定する。プロセスに新規性が求められる。

a. 自社技術を活かし、新製品・サービスによる農業分野での新規事業参入。期限付きのプロジェクト。

b. 従来方式にとらわれない、技術・ビジネス方針の許容。

c. 『聴く、試す、選ぶ』の徹底。

5 人材・組織 従来の縦割り組織を横組みにする人材の起用と組織設計がプロジェクトの成功を左右する。

社長直属のチーム17名(インターン学生を含む)。
幅広い専門領域からの専門家によるフラットなチーム。農学者の意見も多く取入れた。

6 コミュニケーションデザイン 事業の意図と質を伝えユーザーの信頼を培う役割。企業とユーザーが双方向となる設計を目指す。

本ビジネスはイベント公表してユーザーに価値伝達することが多い。
ユーザーである農業従業者は平均66歳であるため、スマートフォンで扱うインターフェイスは極めてシンプルなものとした。

7 将来性・展開性 事業が業界に与えた影響を分析し、投資展開プロセスの計画に対する柔軟な状況判断が将来性を決める。

将来的にはトマト以外の生産物の感染リスクを網羅してゆき、より広範囲の園芸農業の栽培、病害防除、農薬散布などに関する、より具体的な作業支援のためのビッグデータのアーカイブ化が考えられる。 また、近い内に起こる農業従事者の世代交代を前に、迅速なスマート農業の普及は、農業未経験者への重要な下地となる。当該導入し易いことを特徴としたビジネスモデルが将来的に農業自体への参入障壁を無くすことに繋がると考える。