GOOD DESIG LAB の研究活動により抽出された重要項目を北斗七星理論として集約した。参加企業の事例は、ここにあげた項目に添って解説する。
ビジネスモデルは7つの要素が結びついて全体を構成し、1〜4行程までの質が事業全体の創出価値を決定する特に重要なプロセス。各項目の順序はプロジェクトの特性ごとに異なる場合があるが、ここでは基本形プロセスを紹介する。
a. 中小規模農家ではコスト・効果・知識・心理的な障壁から、スマート農業の新技術の導入は大規模農家と比較して遅れている。
b. 高い初期コスト・機器設置のための大掛かりな施工が導入を妨げていると課題設定。
a. 従来の有線かつ大規模な機器に対して、無線のシンプルな機器を開発した。
b. 初期投資ゼロの、月賦支払料金プランを作成した。
a. 従来の機能複合型の大型機器を、4つの小さな機器に分割し、一般家庭の電源で稼働する様にしたことで、設置が簡易になった。
b. 機器の無線は約1キロ届き、複数のビニールハウスを持つ農家の需要に対応。
c. モニタリングした情報から、カビ等の感染リスクを視覚化するIoTシステムを構築。
a. 自社技術を活かし、新製品・サービスによる農業分野での新規事業参入。期限付きのプロジェクト。
b. 従来方式にとらわれない、技術・ビジネス方針の許容。
c. 『聴く、試す、選ぶ』の徹底。
社長直属のチーム17名(インターン学生を含む)。
幅広い専門領域からの専門家によるフラットなチーム。農学者の意見も多く取入れた。
本ビジネスはイベント公表してユーザーに価値伝達することが多い。
ユーザーである農業従業者は平均66歳であるため、スマートフォンで扱うインターフェイスは極めてシンプルなものとした。
将来的にはトマト以外の生産物の感染リスクを網羅してゆき、より広範囲の園芸農業の栽培、病害防除、農薬散布などに関する、より具体的な作業支援のためのビッグデータのアーカイブ化が考えられる。 また、近い内に起こる農業従事者の世代交代を前に、迅速なスマート農業の普及は、農業未経験者への重要な下地となる。当該導入し易いことを特徴としたビジネスモデルが将来的に農業自体への参入障壁を無くすことに繋がると考える。