ビジネスモデルを構成する7つの要素北斗七星理論

GOOD DESIG LAB の研究活動により抽出された重要項目を北斗七星理論として集約した。参加企業の事例は、ここにあげた項目に添って解説する。
ビジネスモデルは7つの要素が結びついて全体を構成し、1〜4行程までの質が事業全体の創出価値を決定する特に重要なプロセス。各項目の順序はプロジェクトの特性ごとに異なる場合があるが、ここでは基本形プロセスを紹介する。

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CASE
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物流の問題を解決する住居用ポスト
ナスタ

株式会社 ナスタ
http://www.nasta.co.jp/
01

開発の背景

  • ・ポスト、消化器スタンド、建築小物設備、サインの企画製造を自社で行ってきた。
  • ・ネット通販の需要増大で流通業者の困窮が社会問題化。
  • ・社会問題の解決を目標にプロジェクトを立ち上げた。

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

課題1
再配達の増加
通販利用増加に伴い、不在時の受取を改善することが急務。集合住宅のロッカーは常時満杯。

課題2
ポストのサイズと厚み
通販会社で多く使われるサイズに対応すると、個人住宅での取り付けサイズとしては大きい。

課題3
住宅・流通との連携
社会問題を解決するためには、住宅関係・流通関係と連携して開発。

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

コンセプト
アイデア

異業種連携により、業界に風穴を開ける
荷受け・発送ができる宅配ボックス専用大型ポストの開発

バリューチェーンダイアグラム

基本設計のアイデア構想は、価値の流れを図に表して行う。図にすることで関係を構造的に整理・把握・評価できる。登場者は事業者・エンドユーザーなどの他に、誰を設定するかが事業アイデアの鍵となる。登場者それぞれの間に、価値の流れを示す矢印が循環する関係となれば、基本設計の完成となる。

ここでは参加企業の事業を図で表し、構造的に完結した仕組みになっている状態、つまり完成度の高い基本設計であることを確認することができる。

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創出する価値

ユーザーにとっての価値
荷受け・発送のストレスから開放されたライフスタイルの向上。

ナスタ・住宅販売にとっての価値
異業種連携によって業界に風穴を開ける価値は大きいが、ポストのサイズが大きいことを理由に販売実績が伸び悩む。大型ポストに新しい概念を与え、それを定着させる仕組みの設計が欠けている。

流通にとっての価値
再配達の減少・人手不足解消の足がかり。大きな社会的問題の突破口としての期待。

大手通販会社にとっての価値
販売件数の増加に伴い加速する社会問題への対応としてポストを販売したが、販売不振で中止。プロジェクトへの参加意識の低さが、価値の創出へ結びつかなかった。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

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ポストのデザイン開発

大型メール便が受け取れるポストの開発。盗難防止機構、投入口締め忘れ防止など、随所に細やかな工夫を凝らしたデザインの実施。壁付け・据え置きなど3機種、QUALシリーズ

住宅メーカーと開発・販売まで連携。

住宅メーカーと共同開発で門柱と一体型のポストを開発。は、共同開発した住宅メーカーが販売。
メール便、宅配便ともに送る・受け取る行為の軽減でユーザーのライフスタイルを変える

大手物流会社との連携

大手物流会社と良好な関係を作り、情報収集したものをデザインにフィードバック

4決断
ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかプロセスにも新規性が求められる。

デザインを戦略的に起用した事業を全社的に展開

現社長就任後から、デザイン戦略で製品ブランドの事業化を実施。これまでの実績からデザインマネジメントが浸透している。

5人材・組織
プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

異業種間の連携が事業価値の根幹

ナスタ社内・住宅メーカー・流通・通販会社との関係性
の構築と遂行が、流通業者の困窮を救うこの事業の中枢。

6コミュニケーションデザイン
企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

製品のサイズの問題を解決する新しい概念の打ち出しが課題

製品の大きさが懸念され販売実績が伸び悩む現状を打破するためには、ポストではない新しい概念でユーザーへ訴求する必要がある。

7将来性・展開
業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

ブランド力強化・新商品開発へフィードバック

開発製品をユーザーが購入する仕組みを、大手通販会社・大手物流会社と仕掛けていく必要がある。