課題1
再配達の増加
通販利用増加に伴い、不在時の受取を改善することが急務。集合住宅のロッカーは常時満杯。
課題2
ポストのサイズと厚み
通販会社で多く使われるサイズに対応すると、個人住宅での取り付けサイズとしては大きい。
課題3
住宅・流通との連携
社会問題を解決するためには、住宅関係・流通関係と連携して開発。
異業種連携により、業界に風穴を開ける
荷受け・発送ができる宅配ボックス専用大型ポストの開発
基本設計のアイデア構想は、価値の流れを図に表して行う。図にすることで関係を構造的に整理・把握・評価できる。登場者は事業者・エンドユーザーなどの他に、誰を設定するかが事業アイデアの鍵となる。登場者それぞれの間に、価値の流れを示す矢印が循環する関係となれば、基本設計の完成となる。
ここでは参加企業の事業を図で表し、構造的に完結した仕組みになっている状態、つまり完成度の高い基本設計であることを確認することができる。
ユーザーにとっての価値
荷受け・発送のストレスから開放されたライフスタイルの向上。
ナスタ・住宅販売にとっての価値
異業種連携によって業界に風穴を開ける価値は大きいが、ポストのサイズが大きいことを理由に販売実績が伸び悩む。大型ポストに新しい概念を与え、それを定着させる仕組みの設計が欠けている。
流通にとっての価値
再配達の減少・人手不足解消の足がかり。大きな社会的問題の突破口としての期待。
大手通販会社にとっての価値
販売件数の増加に伴い加速する社会問題への対応としてポストを販売したが、販売不振で中止。プロジェクトへの参加意識の低さが、価値の創出へ結びつかなかった。
大型メール便が受け取れるポストの開発。盗難防止機構、投入口締め忘れ防止など、随所に細やかな工夫を凝らしたデザインの実施。壁付け・据え置きなど3機種、QUALシリーズ
住宅メーカーと共同開発で門柱と一体型のポストを開発。は、共同開発した住宅メーカーが販売。
メール便、宅配便ともに送る・受け取る行為の軽減でユーザーのライフスタイルを変える
大手物流会社と良好な関係を作り、情報収集したものをデザインにフィードバック
現社長就任後から、デザイン戦略で製品ブランドの事業化を実施。これまでの実績からデザインマネジメントが浸透している。
ナスタ社内・住宅メーカー・流通・通販会社との関係性
の構築と遂行が、流通業者の困窮を救うこの事業の中枢。
製品の大きさが懸念され販売実績が伸び悩む現状を打破するためには、ポストではない新しい概念でユーザーへ訴求する必要がある。
開発製品をユーザーが購入する仕組みを、大手通販会社・大手物流会社と仕掛けていく必要がある。