CASE
06

新しいラベリングシステム
P-TOUCH CUBE

ブラザー工業株式会社
http://www.brother.co.jp/
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開発の背景

  • ・ラベルライターは液晶とキーボードで構成された定型的商品群。
  • ・ブラザーのラベルライターは海外の市場シェアは高いが、国内は低い。
  • ・ブラザーラベルライターのプロダクトネームである「ピータッチ」の認知度が低い。

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

課題1
事務用品イメージからの脱却
機能が多く使い方が難しいため、身近な存在感ではない。見た目の変化が乏しく新しいイメージが弱い。

課題2
ラベリング機会の減少
オフィスではペーパーレス化が進みファイリング用途が減少。家庭でもビデオテープ等を使うことが無くなり用途が減少。

課題3
代替え手段の登場
100円ショップなどで名前つけシールが販売されたり、ネットによる名前ラベル作成サービスが普及。

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

コンセプト
アイデア

「ゲームを変える」。必要に迫られて買うものから、欲しくなるものへ。
メインターゲットは、家族も自分も大切にする向上心溢れる女性。
全ての操作は、スマートフォンで簡単に操作可能。

バリューチェーンダイアグラム

基本設計のアイデア構想は、価値の流れを図に表して行う。図にすることで関係を構造的に整理・把握・評価できる。登場者は事業者・エンドユーザーなどの他に、誰を設定するかが事業アイデアの鍵となる。登場者それぞれの間に、価値の流れを示す矢印が循環する関係となれば、基本設計の完成となる。

ここでは参加企業の事業を図で表し、構造的に完結した仕組みになっている状態、つまり完成度の高い基本設計であることを確認することができる。

02

創出する価値

ユーザーにとっての価値
忙しい女性の生活スタイルに合わせて時間と場所を選ばず入力できる便利さ。プロのノウハウなど提供される情報に創作意欲が湧く楽しさ。

BROTHERにとっての価値
既存製品とは一線を画し、新市場を確立。新しいユーザー層を獲得し国内シェア向上。

スマートフォンによる価値
専用アプリによって、マシンが苦手な人でも使い慣れたUIで簡単に使用することができ、提供情報の更新によってユーザーの関心を高めるビジネス展開が可能に。
SNSによって、ユーザー同士を繋ぎファンを育てる。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

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スマートフォンとの連動で、マシン本体はシンプルに

マシン本体からキーボードと液晶画面が消えたことで、本体は佇まいが一新。テープの種類とコンテンツも新しく豊富なデザインに。

だれでも簡単に楽しみながら使うことができる専用アプリの開発

普段から使い慣れたスマートフォンの操作で、いつでもどこでも、すきま時間に作成できる便利さ、画面の高精細画面の利点を活かしたアプリのデザイン

プロのノウハウ・ラベルの活用事例 コンテンツ開発

プロのノウハウや活用事例を情緒的な価値もプラスした写真と動画で紹介
徹底した情報収集、カスタマージャーニー分析を経て、ターゲットユーザーの心をつかむコンテンツを開発

4決断
ビジネス化の是非を決めるため、入念な仮説・検証が繰り返された。

ものづくりのプロセスから見直し、統合されたスキのないデザインを目指す

商品の高い完成度を目指し、根拠のある徹底した価値の作り込み、なぜそれが良いのか明確にした上で判断していく。

5人材・組織
プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

デザインチームが他部門横断的活動を計画的に実行

プロダクト・アプリ・コンテンツ・コミュニケーションの各デザイン部門が連携して商品企画・販促販売とも協業。デザインが間に入ることで一気通貫。

6コミュニケーションデザイン
企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

顧客体験をターゲットに継続発信、ファンをつくり育てる

ワークショップを多数実行し、体験が拡散される工夫と活動。
プロのノウハウ紹介等コンテンツは定期的に追加更新

7将来性・展開
業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

ブランド力強化・新商品開発へフィードバック

豊かな暮らしを目標とする継続したラベリングの提案とアプリ・コンテンツの進化がブランド力と市場拡大の可能性につながる。