ビジネスモデルを構成する7つの要素北斗七星理論

GOOD DESIG LAB の研究活動により抽出された重要項目を北斗七星理論として集約した。参加企業の事例は、ここにあげた項目に添って解説する。
ビジネスモデルは7つの要素が結びついて全体を構成し、1〜4行程までの質が事業全体の創出価値を決定する特に重要なプロセス。各項目の順序はプロジェクトの特性ごとに異なる場合があるが、ここでは基本形プロセスを紹介する。

bigdipper3
CASE
05

360°映像文化創生活動
THETA INOVATION PROJECT

株式会社 リコー
https://theta360.com/
01

開発の背景

  • ・全天球カメラは専門的かつ高価なものとして従来から存在する技術だった。
  • ・スティック型で手頃な価格で製品化。発売当初はニュースリリースしない期待度だった。
  • ・発売後、一般ユーザーからSNSやスマートフォン、プロからストリーミングでの機能向上を要望された。

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

課題1
一般ユーザーとプロの異なる使い方に対応する
長時間連続使用も行うプロの使い方にも対応(熱対策)する必要がある。

課題2
普及のための新規ユーザーの獲得とファンを育てる
360°映像が持つ体感的な魅力ある価値を伝えることは、困難ながらその手段の開発が重要。

課題3
写真撮影における既成概念からの脱却
360°撮影は「何を撮るか」ではなく「臨場感の共有」であり、それを新しいビジネスに繋げたい。

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

コンセプト
アイデア

360 °映像文化 Fun& Open innovation
Google と協業してメタデータ仕様を策定し、SNS共有を図る

バリューチェーンダイアグラム

基本設計のアイデア構想は、価値の流れを図に表して行う。図にすることで関係を構造的に整理・把握・評価できる。登場者は事業者・エンドユーザーなどの他に、誰を設定するかが事業アイデアの鍵となる。登場者それぞれの間に、価値の流れを示す矢印が循環する関係となれば、基本設計の完成となる。

ここでは参加企業の事業を図で表し、構造的に完結した仕組みになっている状態、つまり完成度の高い基本設計であることを確認することができる。

02

創出する価値

ユーザーにとっての価値
ユニークな画像を撮り共有する新しい楽しさ、面白さ。360°画像や動画が持つ可能性から、不動産建築分野など新しい使用シーンの展開。

RICOHにとっての価値
ファンを育てるUXデザインの徹底化により、製品では新技術に頼らなくても新しいビジネスを展開できるノウハウの蓄積。

Googleとの協業価値
今までにない360°画像と動画をSNSで共有できるプラットフォームを策定したことにより、誰でも自由に画像データを投稿・閲覧できる。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

03
theta

Googleへ働きかけメタデータ仕様を策定してデファクト化

Googleと協業してデータ共有できるデータ形式を策定
YouTube、Googlemap, Googleplus、フェイスブックとのインフラ形成。

一般ユーザーへコミュニティ形成とアプリの充実

スマートフォンアプリの開発、実機100台貸し出してコンテストの開催等UXデザインに力を入れる。

プロユースへオープンイノベーションとコミュニティ形成

デベロッパーズサイトでSDK・APIを公開。デベロッパーズコンテストを開催して、プロユーザーともコミュニティを形成 

4決断
ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかプロセスにも新規性が求められる。

トップから「新分野」での開発要請

2009年前社長から「コア技術を使った開発」の要請で新分野開発としてスタート。

5人材・組織
プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

ポテンシャルが高い人材が動き積み上げた結果を組織化

面白い考えを持った人にあたりをつけてチームを編成し、試作づくりからスタート。後付けで名称を与えて組織化。

6コミュニケーションデザイン
企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

コミュニケーションのインフラ設計を充実

画像コンテストを開催したり、ユーザーがSNSで楽しめる環境を提供。

7将来性・展開
業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

ブランド力強化・新商品開発へフィードバック

ビジネス向けクラウドサービス・見守り・監視・娯楽・広告等多岐にわたる新分野への活用提案で市場拡大の可能性広がる。