CASE
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住戸のランニングコストを見える化
マンション家計簿

株式会社 メックecoライフ
http://mececolife.co.jp
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開発の背景

  • ・1990年代の戸建住宅での欠陥住宅問題でマンションに対しても信頼不審が芽生えたことにより、住宅の性能表示制度が制定された。
  • ・これによって住宅の性能が等級表示される仕組みができたが、各住戸の断熱・省エネルギー性能を一般ユーザーに分かりやすく表示する指標は存在しなかった。
  • ・マンション入居後のコストを表示するという概念は、業界にも存在しなかった。

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

課題1
欠陥住宅問題から生まれた住宅性能表示制度への対応
マンションの信頼不信払拭のために制定された住宅性能表示制度に対応する、信頼ある販売戦略がマンション業界にも迫られていた。

課題2
消費者にとって分かりやすい住宅性能表示制度
耐震・省エネなど10分野を等級で表示する制度を国が制定したが、一般ユーザーに分かりやすい断熱・省エネルギー性能の指標が存在しない。

課題3
社内の認識改革
入居後にかかる費用の開示はデメリット、という販売部門の認識を変えなければ事業化できない

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

コンセプト
アイデア

住まいの品質を創造する
マンションの部屋ごとのランニングコストを見える化

バリューチェーンダイアグラム

基本設計のアイデア構想は、価値の流れを図に表して行う。図にすることで関係を構造的に整理・把握・評価できる。登場者は事業者・エンドユーザーなどの他に、誰を設定するかが事業アイデアの鍵となる。登場者それぞれの間に、価値の流れを示す矢印が循環する関係となれば、基本設計の完成となる。

ここでは参加企業の事業を図で表し、構造的に完結した仕組みになっている状態、つまり完成度の高い基本設計であることを確認することができる。

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創出する価値

購入者にとっての価値
購入者のライフスタイルや価値観に合わせて検討できる選択肢が増えることは、「自分の意思で選ぶ喜び」を与え、顧客満足度が上がる。

メックecoライフにとっての価値
膨大な計算結果を元に、新商品開発へと応用展開できる。「家の燃費」が住宅性能評価期間や雑誌で使われるなど、社会的波及実績が高い。

三菱地所レジデンスにとっての価値
これまで人気が低かった物件にも価値が見出され、売れ筋が平均化して売上に貢献した。業界他社の関心が高まり、業界の潮流を変えた。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

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03

改正省エネ法より実生活に近い算出方法の開発

国の基準より精緻なシュミレーションでわかりやすく表示。
精緻な計算プロセスをカタログ内に表示して信頼を得る。

見慣れた価格表示「鳥かご」で表示しカタログ内容を充実

共通フォーマットの利用で、購入者への訴求力を高める。
カタログ、ウェブサイトの充実は社内外への浸透に重要。

事業化を目指し綿密な計画と地道な社内説得活動

全国の販売部門に足を運び、熱く語って共感を得る。
社内に浸透後に事業化へ踏切り、各プロジェクトで予算化。

4決断
ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかプロセスにも新規性が求められる。

トップの迅速な理解を得て事業化の予算を確保

個別のプロジェクトから切り離し、全社費用として一定期間の予算を賄う。

5人材・組織
プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

横串を通す発想で立ち上げた別会社が可能にした事業化

2008年開設のメックecoライフは不動産業界唯一の研究開発専門会社。
新規事業に重要な決裁までのプロセスがスリムな組織。

6コミュニケーションデザイン
企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

購買層へ広くわかりやすく伝える活動と投資

カタログとサイトの充実、新聞の全国紙で全面広告を展開。
メディアや住宅業界が「家の燃費」表現を使用する程普及。

7将来性・展開
業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

ブランド力強化・新商品開発へフィードバック

新サービス・新商品の開発
建物の価値観が変化、マンションの作り方が変わる