hex-min

ビジネスデザインの評価ポイント

1 事業の目的

経済社会の状況や企業の背景を踏まえて、事業が利益の追求や企業価値を高めるなど目的が明確なこと。

2 課題の抽出

①価値の設定・目標 商品やサービス開発の前提として、ビジネスデザインはモノやサービスの創出を、従来型の経済価値(利益)や企業目線に基づく手法・考え方で計画するのではなく、人間(生活者)的価値/社会的価値の創出を優先的に計画していることが求められる。
 この視点から事業開発/商品開発の価値又は目標を設定していること。

②課題の明確性 ①を前提に、生活者や社会が抱える多くの課題から具体的にどの課題を選択し、どのように解決しようとしているかの明確にしていること。
 その明確性は、事業構築の一貫性/ユーザー(生活者や企業取引)の理解しやすさに影響する重要な要素である。また、以降の評価ポイントである「基本設計」「詳細設計」「経営判断」「将来性」に大きな影響を与える重要な項目である。

③従来との比較(改善性又は新規性) 既存のモノ・サービスが行ってきた課題の抽出及び解決方法と比較して、自身はどのような改善を行ったか。その新規性を明確にしていること。

3 基本設計

①ユーザーに対する機能/用途 抽出された課題を解決するために充分なビジネスフレームが構築されていること。人間(生活者)的価値/社会的価値に基づいて利便性や安心感が設計されていることが重要であり、当該設計に至ったプロセスやロジックが明確に説明されていること。

②抽出した課題に対するソリューションの的確度 課題に対するソリューションには様々な選択肢があるが、そのなかで、よりユーザーに対する利用価値や合理性の高いものを選択していること。

4 詳細設計

①理解し易さ 複雑な構成要素からなるビジネスモデルを、ユーザーに分かり易く伝える方法や媒体等を具体的かつ的確に設計していること。

②機能性 ユーザーが課題を解決するまでの手順が、明確に設計されていること。「抽出した課題に対するソリューション」が具体的にユーザーへ届く仕様が構築されていること。また、リスク等の負の要因も充分に考慮されていること。市場の状況変化に応じて柔軟な対応力があること。

③快適性 ユーザーの使用に対して快適な環境が提供されていること。市場の状況変化に応じて柔軟な可変性があること。

5 決断・意思決定

ビジネスデザインを実施するにあたって、企画が優良で市場が見込める又は開拓すべき市場であっても様々な要因から、実施に至るには経営判断や投資判断などの決断・意思決定が必要となる。この決断・意思決定するために用いられた根拠やロジックがどのように構築されたかが、事業の継続性/可変性/発展性などに大きな影響を与える要因である。

①実現困難性/社内 事業を行う決断・意思決定における社内承認の問題をクリアするためにどのような手法を用いたか。また継続性や柔軟な決断をおこなうためにどのような手法を用いているかが明確であること。

②実現困難性/市場 事業を行う決断・意思決定における市場へのアクセスや参入障壁などを、どのように克服するかの手法/考え方が明確であること。

③実現困難性/社会 事業を行う決断・意思決定における事業分野の社会的イメージや法令、その他参入障壁などを、どのように克服するかの手法/考え方が明確であること。

6 人材・組織

配置/ネットワーク構築完成度 ビジネスデザインはノウハウの塊であり、人材や組織のあり方は事業の成功の左右する重要な要素である。具体的には、事業遂行のための組織内人材の配置や外部人材ネットワーク、教育や情報の伝達・共有の仕組みがあること及びその完成度。

7 コミュニケーションデザイン

①価値伝達の適切性 新たなビジネスデザインの価値を伝達するには、戦略的かつ効率的な手法が必要である。この要素について実施態様として価値伝達の具体的方法を有していること。

②事業全体のマネジメント コミュニケーションデザインによる事業全体のマネジメント機能は、関係する組織や人材に対する事業の方向性や意識付けとして重要な要素である。この要素について事業を継続的、効果的に管理・運営する具体的な方法を有していること。

8 将来性または実績

①将来性または実績による拡張性・展開性もしくは影響力 ビジネスデザインが初期である場合はその将来性を判断し、既に実績がある場合は、その実績を評価する。
 これらビジネスデザインの拡張性や展開性については記載されている内容以外に、推量により判断可能とする。さらに事業が市場や社会に与える影響を考慮する。

②エンカレッジ要因 ビジネスデザインが初期である場合は、主にユーザー視点からその将来性や有用性を判断し、事業が推進されるようエンカレッジすべき事業として考慮する。