CASE
10

投資信託 朝日ライフSRI社会貢献ファンド
あすのはね

朝日ライフ アセットマネジメント株式会社
http://www.alamco.co.jp/fund/sri/index.html

日本で先駆的に「SRI投資」に着目したファンド。投資信託商品を通じた「より良き社会創造・社会貢献」を目指す。多角的な社会貢献(寄付)を通じ、投資家とのファンド目的を共有する。SRI投資分野で第三者評価機関から運用実績を評価。

hero-asu-no-hane

開発の背景

  • 投資信託商品は世相を大きく反映し、SRI(環境・社会的課題解決を考慮した)投資が注目されている。流動的な市場でコンセプトとファンド運用成果を両立できるファンドの開発が求められた。

1 課題抽出 企業が抱える問題、社会的課題、ポジティブ要素も広く調べて要素を抽出。

課題1
広い社会課題貢献の個人向けファンドは存在しなかった
社会的課題が注目された開発当時、エコファンドのように特定分野に着目した商品は存在したが、広い課題設定の個人向けファンドは存在しなかった。

課題2
社会の関心動向の影響をダイレクトに受け流行の変化が大きい
ファンドは社会の関心動向の影響を受け流り廃りが大きく、長期で運用成果を出して継続できる商品は少ない。

課題3
販売会社(銀行、証券会社など)が関心を示して積極的に販売するかが販売実績を決める鍵に
販売のタッチポイントでは、販売会社(銀行、証券会社など)の意向が反映しやすい。

2 基本設計 コンセプトの立案。抽出した課題がwin-winの関係となるアイデアを築く

コンセプト
アイデア

投資信託商品を通じたより良き社会創造
社会的責任投資という、時代を先取りした投資信託。投資先企業のテーマを限定せず、時代が抱える課題に本業で取り組み社会貢献している企業へ投資し、信託報酬の一部を寄付する商品。

バリューチェーンダイアグラム

graph

創出する価値

社会貢献と同時に実収入にもつながる可能性
このファンドを持つことにより、社会貢献という心の充足と同時に実収入にもつながる。中長期に渡って投資する価値の理解がしやすい。

社会的価値で抱き合わせて同時に利益が生まれる構造
寄付と社会貢献は、関心が高い一方で具体的な行動へ移すにはハードルが高い要素だが、抱き合わせてファンドにすることで身近な存在になった。

継続的な運用実績が社会的貢献度を高める
時代の流れを先読みした商品化と長期に渡って良好な運用実績による社会貢献。

3 詳細設計 ビジネスを構成する具体的作業。製品、サービス、知財、収益獲得の計画と実施

17G151277_01_880x660

個人向けSRI投資の先駆的ファンド/透明性

投資先銘柄の内訳をウェッブサイトでも開示して透明性を高めた。

寄付先の客観性と透明性

信託報酬の一部を社会的課題に取り組む団体へ寄付。社内に寄付先選定委員会を設置、寄付先の団体も開示して客観性と透明性を両立。

長期に渡り、信託財産の成長を図ることを目的として運用

SRIのファンドとして長期に渡り、運用を継続。結果、客観的な投資信託評価として認知されている基準を満たしSRI投資のリーダー的存在へ。

4決断
ビジネス化の是非を誰がどのように決めるかプロセスにも新規性が求められる。

商品特徴が持つリスクを超えた経営判断

投資家にとって寄付は減益とも受け取られる可能性を秘める中で、透明性を高める工夫とともに商品化を決断した経営判断は卓越している。

5人材・組織
プロジェクトの参加者、意思決定者、協力事業者に適正な役割や関係性をつくる。

クリエィティブな商品企画と仕組みの設計提案ができる人材

クリエィティブな商品企画と仕組みの設計提案ができる人材の登用。社内に寄付先選定委員会を設置し客観性を高めるマネジメント力。

6コミュニケーションデザイン
企業が提供しユーザーからフィードバックされる情報価値が市場形成の鍵となる

投資家への情報の開示、社内プロセスでも見える化、透明性への努力

企業価値分析をマトリックスで視覚的に表現して社内判断プロセスにおけるコミュニケーションデザインが行われている。投資銘柄、寄付団体の情報を自社ホームページで常時開示。

7将来性・展開
業界に与える影響、投資、展開プロセスの計画と事業展開後の柔軟な状況判断が将来性を決める。

社会的価値と投資家の心の充足を含む広い利潤

投資ファンドは本来金融的利益を追求するものだが、あすのはねは、それに加えて社会的価値と投資家の心の充足を含む広い利潤を生む価値がある。今後成長するべき分野として、新たな投資家の参入口として展開の可能性がある。